2007年8月30日木曜日

薄型テレビ「リンク」商戦 周辺機器も自社製品で

 主要家電メーカーの薄型テレビの新製品が29日出そろった。メーカー各社はテレビとDVDレコーダーなど周辺機器を1本のケーブルでつなぎ、リモコン1台で操作できる「リンク」機能を強化。テレビを「家庭の情報窓口」と位置づけ、周辺機器も一気に自社製品に囲い込もうと動く。商戦は年末へ向け本格化する。

ソニーがお披露目した液晶テレビ「ブラビア」とHDDレコーダー。無線通信を使ったテレビの「おき楽リモコン」でレコーダーも操作できる

 ソニーは29日、初めて本格的なリンク機能を搭載した液晶テレビ「ブラビア」と、対応するハードディスク駆動装置(HDD)レコーダー、動画配信を受ける専用機器を9月から順次発売すると発表した。テレビリモコンの「見る」「予約する」などを押せば、他の機器も操作できる。それぞれの機器に「ブラビアリンク」のロゴを付け、セットで売る戦略だ。

 鹿野清ソニーマーケティング取締役は「テレビは放送を楽しむだけのものではない。(機能の)拡張性を売りにしたい」と話す。テレビの店頭想定価格は最小の40型が27万円前後。市販液晶テレビでは世界最大の70型を含む計15機種を出す。

 世界で最初にリンク機能付き商品を発売したのは松下電器産業だ。昨年4月から順次、「ビエラリンク」対応の薄型テレビ「ビエラ」やDVDレコーダー、音響機器などを発売。来月には来客の顔をテレビ画面で確認できるようドアホンと連係し、動画配信も利用できる新ビエラを発売する。

 リンク機能を重視する顧客が増えたといい、「日本では、家庭での情報窓口はパソコンよりテレビ」(担当者)と、家電メーカーの商機に意気込む。

 東芝は今秋発売の液晶テレビ「レグザ」の連係先に、次世代DVDの「HD―DVD」ドライブを搭載したノートパソコン「Qosmio(コスミオ)」を追加。レグザのリモコンを使って、コスミオの新機種に記録した映像を再生することや、別のDVDレコーダーでの録画・再生ができる。

 シャープは「アクオスファミリンク」、三菱電機は「リアリンク」など、各社は連係機能や機器を、テレビのブランド名でアピールする。

 市場調査会社BCNによると、量販店などでもテレビと周辺機器をリンク機能で組み合わせた陳列が拡大。田中繁広取締役は「テレビと抱き合わせで周辺機器も売りたいメーカーと販売店側の思惑が一致した」とみる。

今が買いなのか?